コンクリート構造物の鉄筋や電線管などの埋設物をエックス線(X線)により探査・解析します。埋設物が複雑に密集している場合は、エックス線(X線)検査法による探査が有効です。
施工例
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コンクリート壁の埋設物調査
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コンクリート床の埋設物調査
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目標ターゲットとX線発生装置照射機
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X線発生装置制御機
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コンクリート内部の透過写真
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透過写真を表示するPC画面
特長
- 撮影にかかる時間は、壁の厚みにより異なりますが、数10秒~2分程度と短時間に完了
- 埋設物の状態を簡単に解析
- 電気配管の用途(弱電・強電系)の推測が容易に判定
- 探査精度が高いので切断事故を未然に防止
- コンクリート厚が250mm以上の場合は要相談
図:X線発生装置の設置イメージ
長所と短所
- 長所
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- 埋設物の種類が容易に判定
- 主筋・枝筋の区別が可能
- 鉄筋・電線管の識別が可能
- 電気配管の用途(弱電・強電系)の推測が可能
- 判定方法が客観的で技術レベルが確保
- 短所
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- X線(レントゲン)作業のため、放射線安全管理が必要
- 探査可能なコンクリートの厚さに制限あり(厚さ:250mm程度)
- 装置側に1.2m程度の作業スペースと、裏側にイメージングプレートの設置スペースが必要
- 他の探査に比べ費用が割高
用途
- 耐震補強工事に伴うあと施工アンカーおよびスリット工事の事前探査
- ビル設備更新工事などに伴うダイヤモンドコア穿孔工事前の探査
- ウォールソーなどによる開口などの切断工事前探査
- 各種破砕工事前の探査
- 耐震診断に使用するテストピース採取前の探査
対象物
コンクリート内の埋設物電線管(CD管・鉄管・塩ビ管・ケーブルなど)・鉄筋他金属の探査
作業環境向上
- 繰り返し使用可能なイメージングプレートの使用でフィルムが不要
- 幅広い諧調でフィルムと同レベルの鮮明なX線(レントゲン)画像を取得
- 現像液など化学薬品を使用しないため無臭気
- 暗室での作業が不要
- 現像液管理や廃液処理が一切なくなり環境負荷を低減
- スキャン装置の読取り後、約1分でX線(レントゲン)画像がPCのモニタ上に投射
- 鉄筋や埋設物などの作業指示がより正確に可能
放射線安全管理について
技術員はフィルムバッチなどで被ばく線量を測定し安全管理を行なっていますが、第三者の安全も考慮し、管理区域を6m、立入禁止区域を5mとして撮影を行なっています。また、フィルム側についても、2.5m以内を立入禁止区域とし、第三者の立ち入りがない様に常に監視人を配置しています。
※労働安全衛生法・電離放射線障害防止規制による。