あと施工せん断補強工法(CCb工法)とは
【セラミックキャップバー(CCb)工法開発の背景】
古い耐震規準で設計されたコンクリート構造物の中には、現在の耐震規準で考慮すべきレベル2の地震動に相当する地震力が発生した場合、部材のせん断耐カ・じん性の不足が懸念されています。しかし、開水路やボックスカルバートなどの壁状の地下構造物では、内空側からの補強工事しかできず、さらに構造物が塩害環境下などの劣悪な環境にある場合は、補強後の耐久性を確保した有効な方法がありませんでした。
このような状況で、優れた施工性・耐久性およびせん断補強効率を実現した耐震補強技術として、ファインセラミック製の定着体をねじ節鉄筋に取付けた「あと施工セラミック定着型せん断補強鉄筋『セラミックキャップバー(CCb)』」が開発されました。これにより多くのコンクリート構造物への耐震補強工事が可能となりました。
施工例
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ねじ節鉄筋と定着体との接着
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せん断補強鉄筋の挿入(下穴)
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グラウト材の流込み(下穴)
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既存構造物への鉄筋探査
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ハンマードリルによる横穴の削孔
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フロー試験器によるグラウト品質管理
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横穴へグラウト充填注入
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せん断補強鉄筋の挿入(横穴)
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コテによる表面仕上げ
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上向きの削孔
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グラウト材の練り上げ
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グラウト材の注入
セラミックキャップバー(CCb)工法とは
既存のコンクリート構造物にあと施工型のせん断補強を行うことを目的とし、ねじ節鉄筋の両端にセラミック製の定着体を取付けたせん断補強鉄筋です。既存構造物の表面から削孔を行い、その孔内に「セラミックキャップバー(CCb)」を挿入し、グラウト材で固定させます。構造躯体と一体化させることで、せん断耐力が向上し、じん性を確保する工法です。
セラミックキャップバー(CCb)標準型
既存RC壁内空からの挿入設置例
地震動によるせん断破壊の防止(コンクリート構造物)
グラウト材による充填状況
特長
- 定着体がファインセラミック製であり、コンクリート表面付近にせん断補強鉄筋の定着部が配置でき、高いせん断補強効果が期待
- コンクリート表面に最も近い補強材の定着部に耐食性が優れたファインセラミックス製の定着体を用いることで補強後の高い耐久性を実現
- 下向き・横向き施工には「高流動グラウト材」を用い、上向き施工には「可塑性グラウト材」を用いることで迅速かつ確実な施工が可能
- 定着体とせん断補強鉄筋は現場で組立てるので、削孔後にせん断補強鉄筋の変更が生じた場合でも現場で即座に対応
- コンパクトな機材しか使用しないため、狭隘なスペースでも施工が可能
- 施工スペースにより対象構造物が厚い場合(セラミックキャップバー(CCb)が長い場合)でも機械式継手により施工が可能
用途
◎下水処理場
ポンプ棟・分水槽・重力濃縮槽・汚泥処理槽・消化タンク・ポンプ室・放流渠など
◎上水道施設
薬品沈殿池・サージタンクの基礎フーチング・流入弁室
◎高架橋
橋脚フーチング
◎河川関係他
樋管・水門・排水機場・取水路・放水路
施工講習と実技実習の講習会
社会の変化にも柔軟に対応できる企業として、新たな技術や工法の開拓・習得にも積極的にチャレンジしております。 また、社員ひとりひとりのスキルアップ向上を目的とした技術取得にも余念なく取組んでいます。弊社では、メーカー様から講師をお招きして、施工講習と実技実習のための講習会を適時かつ定期的に催しています。講習会後には講習修了証を発行していただくことで、社員のモチベーションアップにも繋がっています。
■講習会の様子
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仮設天井の設営
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混錬したグラウト材をポンプへ供給
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モルタルフロー試験器にて計測
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CCb孔模擬測定器へグラウト充填注入
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グラウトの表面をならし周辺を清掃
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モルタルエアーメーターでの計測