構造物の耐震性能を評価し、耐震補強の要否判定をするのが耐震診断です。建築年代の古い構造物ほど大きな地震被害を受けやすい傾向があります。特に構造物の耐震基準が大きく変化した1981(昭和56)年以前に建てられた構造物は耐震性が不十分なものが多く、耐震診断を行う必要があります。
調査手順
調査項目
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ひび割れ調査(目視調査)
外壁のひび割れや剥離、退色などを確認
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欠損・剥離調査(打診・打音調査)
テストハンマーの打診音にてタイルの浮きや剥離状態を確認
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防水・漏水調査
屋上などの防水層、排水溝の廻りや突起物の周りなどを確認
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配筋および鉄筋かぶり厚調査
原設計図書と現状の整合性を、非破壊検査による調査確認
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不同沈下調査
建築物の傾斜や地形・地盤・基礎の調査
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鉄筋腐食調査
既存コンクリートの一部を斫り腐食状況や鉄筋径やかぶり厚を測定
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コンクリート強度試験
テストピースを圧縮強度試験にてコンクリート強度を測定
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コンクリート中性化試験
テストピースにフェノールフタレイン液を吹付けて中性化深度を測定
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コンクリート塩化物含有量試験
コンクリート中の塩化物イオン濃度測定を行い鉄筋の中性化腐食進行度合いを測定
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付着力・接着力試験
下地との密着の度合いがどの程度保全されているかを調査