鉄筋コンクリート構造物を同じ無機質系のマグネラインで補修します。防錆材として開発されたマグネラインで鉄筋の防錆を行うことにより、錆止め・断面修復を連続作業で行なうことができ、耐久性のある断面修復が可能です。
コンクリート構造物の補修が増大する中、コンクリートと同じ無機質系のマグネラインによる補修はマグネラインの持つ、防錆・防食・接着などの多機能性により、多くの工法メリットを生み出します。
施工事例
施工前
施工後
特長
連続作業が可能
同一材料で施工するので、連続作業ができます。
既設コンクリートと一体化
既設コンクリートと同じ無機質系なので補修部が一体化します。
湿潤状態でも施工が可能
施工面が湿潤状態(湧水は除く)でも施工は可能です。
安全な工事が可能
引火・爆発・中毒の心配がなく、工事が安全にできます。

施工手順
1既設コンクリートの下地処理
- コンクリート素地が粗で吸水する場合は、マグネシーラーを使用します。
- コンクリート素地が緻密である場合は、水湿しを行い、水引きを確認します。
- 露出鉄筋がある場合は、鉄筋防錆材を塗布いたします。
2断面修復
- 左官施工の場合
1)左官施工する場合、MDD1のフロー値の目安は、160mm程度です。
2)鉄筋の周囲に空隙ができないようにコテでもみ込みながら、吸付かせるように塗布します。
3)塗付けしたものがまだ柔らかな状態のうちに、所定の厚さになるように厚みをあわせながら均します。塗付けの都度、表面の均しを入念に行ない塗付け完了後、表面が硬化しはじめてからのコテ均しは行いません。
4)所定の厚みまで数回に分けて増厚してください。尚、コテ塗りによる一層の最大厚みは10mm程度です。
5)コンクリート標準示方書「施工編」に準拠して、冬期は日平均気温が5℃以上であること、夏期には25℃以下であることを確認し施工します。これらの温度をはずれる場合には、
適切な養生を行います。冬期や風の吹込む施工箇所および直射日光の当る施工箇所はMDD1表面が乾燥し、プラスチックひび割れや乾燥収縮ひび割れが生じやすくなります。
これらの環境下ではひび割れが発生しないよう十分注意し、必要に応じ皮膜養生などによる適切な養生を実施します。
6)各層の塗付間隔は、夏期で4~5時間・冬期で6時間以上です。硬化確認後、次の工程に着手する前に打診確認で、浮きがないかを確認します。
- 吹付け施工の場合
1)吹付け施工する場合、MDD1のフロー値の目安は、170mm程度です。
2)練混ぜたモルタルは圧送ポンプで送出し、ノズル部で圧縮空気により吹付けます。練混ぜ後30分以内に使い切るようにし、ムラがないように均一に吹付けます。
・鉄筋裏への充填は不良が生じやすいため入念に行い、必要に応じてコテで押さえます。
・吹付け厚みを確認するための冶具を取付けておきます。
3)吹付け後のコテおさえ作業を手早く行います。表面が硬化しはじめてからのコテ均しは行わないません。
4)吹付け厚みは天井面で15mm、壁面で20mm程度とします。
*圧送を一時中断する場合は、ホース内での閉塞を回避するための対策を施します。
3後片付け
- 施工中に用いた養生材(シート・テープなど)の撤去を行い作業足場の清掃を行います。
◯養生について(マグネラインの施工、下塗り・増厚に適用します)
1)養生中の温度条件は暑中、寒中コンクリートの基準に準拠します。
2)寒冷期における初期凍害を防ぐため初期養生は夜間でも5℃以下にならないように注意して養生します。
3)寒冷が厳しい場合は現場状況に応じて、シート類やコンパネなどを用いて隙間のないように囲み、熱気を供給するか電気マットなどで適温の採温・保温をします。
4)1日の最高気温が25℃を超える期間には、急激な乾燥を防ぐためにシート類などでMDD1の表面を覆うなどの対策を講じます。
5)硬化確認時間は冬期で6時間以上です。次の工程に着手する前に打音診断で、浮きがないかを確認します。
寒中・暑中を問わず、いずれの時期であっても直射日光と風を防ぐ養生を行ないます。
◯材料の貯蔵と保管
1)地面に直接置かずに湿気のない床を設け、雨水および直射日光を受けない場所に、5~30℃の通風のよい場所で保管します。
2)積み重ねは、10段までとします。